速記は21世紀対応の超高速文字です。人が話す内容を全て、そのままの速度で書き取っていける、それが速記です。


速記の方式は1つ?

衆参早中が4大速記法

 速記の方式は、細かなものまで入れると100前後になるとお聞きしたことがありますが、数ある速記方式の中で「4大速記法」と言われているのが、衆議院式、参議院式、早稲田式、中根式の4方式です。
 衆議院式は、その名のとおり、衆議院の速記者たちが使用しているものです。衆議院では、数年前までは自前の速記者養成所を持っていましたが、そこで教えていたのがこの衆議院式です。衆議院の速記者はその養成所卒の方がほとんどですから、必然的に速記方式も衆議院式ということになるわけです。
 参議院式も、衆議院同様、数年前まで自前の養成所を持ち、そこで指導していた方式です。現在の参議院速記者はこの方式を使っています。
 また、衆参とも、養成所に入った者のうち半数程度が衆参の速記者となり、残りの半数程度は地方議会や民間の速記者になっています。したがって、地方議会や民間で働く速記者の中にも、衆議院式、参議院式を使う人もいます。
 早稲田式は、早稲田大学内の速記研究会で誕生した方式です。いろんな方が研究されていたようですが、川口渉という人がまとめ上げたものが早稲田式の原型となっています。早稲田式は、その後、専門学校はもちろん、通信教育でも広く普及し、一般の人にとって最も身近な方式だったのではないでしょうか。かくいう私も早稲田式です。
 中根式は、中根正親さんが考案し、実弟の正雄さんが全国の中等学校を中心に普及に努めました。高校速記といえば中根式というぐらいで、今も高校生の全国大会では主流の方式です。