速記は21世紀対応の超高速文字です。人が話す内容を全て、そのままの速度で書き取っていける、それが速記です。


速記が登場する小説など

円朝芝居噺 夫婦幽霊 (辻原 登)

 速記本では三遊亭円朝の「怪談牡丹燈籠」が有名ですが、その名人の落語に幻の一作があったのが発見された、しかもそれは速記文字(田鎖式)で書かれているということで、それを解読すれば円朝師匠の幻のネタ「夫婦幽霊」が現代に蘇る……という感じの話です。
 実在の速記事務所がそのままの名前で出てきたり、後にはあの芥川龍之介まで絡んできて、どこまでが現実でどこまでが創作なのか、立ち読みレベルの私にはよくわかりませんが、なかなか面白そうな話です。
 辻原登さんは、1945年12月15日生まれ、和歌山県印南町の御出身です。申しわけないことに、私は他の作品をまだ拝読したことがないのですが、2012年には紫綬褒章を受章されています。