速記本では三遊亭円朝の「怪談牡丹燈籠」が有名ですが、その名人の落語に幻の一作があったのが発見された、しかもそれは速記文字(田鎖式)で書かれているということで、それを解読すれば円朝師匠の幻のネタ「夫婦幽霊」が現代に蘇る……という感じの話です。
実在の速記事務所がそのままの名前で出てきたり、後にはあの芥川龍之介まで絡んできて、どこまでが現実でどこまでが創作なのか、立ち読みレベルの私にはよくわかりませんが、なかなか面白そうな話です。
辻原登さんは、1945年12月15日生まれ、和歌山県印南町の御出身です。申しわけないことに、私は他の作品をまだ拝読したことがないのですが、2012年には紫綬褒章を受章されています。