速記は21世紀対応の超高速文字です。人が話す内容を全て、そのままの速度で書き取っていける、それが速記です。


速記とは何か?

省略法を使えばさらに高速

 速記は、基本文字だけで、どんな言葉も普通の文字より2〜3倍速く書けるのですが、さすがにそれだけでは人の話す速度にはついていけません。そこで登場するのが省略法というものです。
 省略法の体系は速記方式によってかなり異なりますが、ある程度共通事項として用いられているのが「インクツチキ」音の省略です。
 難しい話は横に置くとして、漢字ばかりでできた言葉、例えば「国会」「開会」「関係」などの言葉は、1つずつの漢字の2音目に注目すると、ほとんどがこの「インツクチキ」のどれかになるという法則を利用した省略法です。
 例えば、「国会」なら、「国」は「コツ」ですから2音目は「ツ」、「会」は「カイ」ですから2音目は「イ」ですね。「関係」なら、「関」の2音目は「ン」で、「係」の2音めは「イ」です。つまり、これらの2音目に必ずくる音をうまく省略することができたら、それだけでも書く線量は大きく減るんだよということです。
 もちろん、これだけでは高速度に対応できませんから、各方式ごとに、それぞれより高度な省略法が用意されています。さらに、使用頻度の高い言葉については、「〒」のような感覚で個別の省略文字をつくって、より高速まで対応できるようになっています。したがって、基本文字をしっかりマスターし、その上にこれらの省略法を組み合わせて自由自在に使えるようになると、人の話をそのまま書き取っていけるような速度が実現できるわけです。
  
 上の左は基本文字だけで、右は省略法も使って、同じ文章を書いたものです。「私は日本経済の問題についてお話しをしたいと思います」という文章ですが、線量の違いは明らかですね。