速記は21世紀対応の超高速文字です。人が話す内容を全て、そのままの速度で書き取っていける、それが速記です。


速記とは何か?

速記の極意を応用すれば……

 速記の極意は「書かずに書く」というところにあるわけで、いかにして書く線の量を減らすかというところで、いろいろな工夫がされています。皆さんも、バスツアーに参加したときなど、車内でバスガイドさんがよく「話」の字の右上あたりに「、」を打って「何と読むでしょう?」なんていうクイズをやっているのを見たことがあるのではないでしょうか。
 例えば、こういうふうに「話」の右上に「、」を1つ打つことによって「てんで話にならない」と読ませたりするという、こういう感じのものですね。
 こういう省略の方法を考えるには、それなりに頭の柔軟性が必要になるわけで、速記を学ぶと、その辺の頭のトレーニングが自然にできるというおまけのメリットもあります。
 さらに、一番お勧めなのは、速記法を応用したパソコンのキー入力省力化でしょうか。単語登録機能を使って、例えば「あります」は「あす」、「ありまして」は「あて」、「ありました」は「あた」、「ありますけれども」は「あも」などと登録しておくと、入力速度が飛躍的に速くなります。単語登録を駆使した入力は、その速度もさることながら、定型句の入力ミスが皆無になるという大きなメリットもあります。
 また、速記文字というのは、極秘の言葉を記しておくのにも重宝します。例えば、パスワードなどですね。何かに書いておかないと忘れる心配がある。しかし、普通の文字で書いたのでは漏洩が心配だ。そういうときには、速記文字で書いておけば安全です。もちろん、同じ方式の人が見れば判読されてしまうわけですが、その確率は相当低いし、もしそこまで心配するなら、速記文字を使用した上に、暗号でよく使う特殊ルール(例えば、逆順に書くとか1文字ずらす等)を併用すれば、ほぼ完璧でしょう。常に持ち歩くような手帳に堂々と書いていても、まず心配ありません。